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為替イブニング海外市場2024年11月27日

2024年11月27日
(コラム執筆時間:18時34分)

11月28日の「為替イブニング 海外市場」は、米国市場休場のため休刊とさせていただきます。

鈴木予想レンジ

※コラム執筆時点における、筆者の予想レンジです。

通貨ペア予想レンジ
ドル円150.50~153.00
ユーロ円158.80~160.80
ユーロドル1.0430~1.0580
豪ドル円97.50~99.50
相場状況の振り返りと今後の展開予想

トランプ米次期大統領の関税引き上げ問題を発端にして、ドルを手仕舞う動きが急を告げている。元来、ドルロング指数が高水準にあり、またトランプ氏が貿易赤字に対してドル安志向が強いだけに、市場ではストップロスを巻き込む格好でドル全面安の状況が作り出されている。ただ先のFOMC議事録において利下げは緩やかなペースで実施する見通しではあるが、依然として米金利の優位性が健在であるだけに過度なドル安は見込みづらい外部環境にある。そんな中、東京株式市場では円高を嫌気して日経平均は一時節目の3万8000円割れになるなど、警戒感を強めている。とは言え、堅調な米国株式市場や円安の副作用改善を考慮すれば、株式市場への影響は限定的との見方も少なくない。いずれにしても市場はトランプ氏の強気発言に翻弄されてはいるが、憶測の段階でもあるだけに、相対的には過剰反応している嫌いがある。総じて安易にどちらにも仕掛けづらい状態にあるが、基本的にはストップロスが一巡しておらず、もう一段のドル安局面では買い戻しに転じることがリスクの軽減に繋がると見なした方が無難であろう。

一方、ドル円は米債券利回りが若干低下してはいるが、依然として米10年債利回りが4.2%台で高止まり状態にあるだけに、想定以上の円買い反応で足早に151円台半ば前後へと下落基調を強めている。ただ円安の副作用が軽減されたこともあり、日銀としても追加利上げを急ぐ必要がなくなっており、過度な円高局面は描きづらい状況にある。それでもストップロス主体の展開にあるだけに、引き続きレンジ幅ドル円150.50~153.00円まで拡大し、同レベル前後から少なめのナンピン売買で対応することが賢明であろう。

他方、ユーロドルは米ドル主導の展開に変わりはないが、ある意味では漁夫の利を得た格好で1.05台を回復している。ただECBの利下げ観測が先行しているだけに、過度なユーロ高は期待薄と見なした方が無難であり、引き続きレンジ幅ユーロドル1.0430~1.0580まで拡大し、同レベル前後からナンピン売買が一考であろう。

●戦略的には、ドル円は前述したレンジ幅を重視し、150円台半ば前後から押し目買いと共に、153円前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、ユーロドルは1.04台前半から押し目買いと共に、1.05台半ば以上からナンピン売りで待機することを勧める。

●邦銀勢によれば、様子見スタンスをさらに強めているが、輸出企業はドル円153円前後からナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。一方、輸入企業は152円台半ば前後から買いを随時実施しており、現状では151円割れを視野に、150円台半ば前後から押し目買いで対応している模様。

●海外勢によれば、方向感に乏しい中、調整色を強めている。それでもECBの利下げ観測を背景に、戻りの鈍さが意識されている。引き続きユーロドル1.04台半ば割れから押し目買いと共に、1.05台半ば以上からナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。

●クロス円は、ドル円150円台半ば前後ではロング、153円前後ではショートをイメージし、ユーロ円は159円割れから押し目買いと共に、160円半ば以上からナンピン売りで待機することを勧める。一方、豪ドル円は98円割れから押し目買いと共に、99円台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。

市場ストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円150.00153.70
ユーロ円158.00161.50
ユーロドル1.03801.0630
豪ドル円96.80100.10

※筆者の独自取材による、国内機関投資家などからのストップロス・オーダーが多く出ているラインです。
新規注文の際や、保有ポジションの見直しを計るうえでの参考のひとつにしてください。

トレード実績

筆者の個人的なトレードによる収支実績及び売買予定を公開しています。
※文中の記号・略語については巻末の解説をご参照ください。

市場のストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円150.00153.70
ユーロ円158.00161.50
ユーロドル1.03801.0630
豪ドル円96.80100.10
現在のポジション
豪ドル円ロング50,000☆98.50(SL97.50売り)
本日のSL実行ポジション
ドル円ロング50,000☆▼153.00(SL152.50売り)-¥25,000
ユーロ円ロング50,000☆▼160.50(SL159.80売り)-¥35,000
豪ドル円ロング50,000☆▼99.00(SL98.50売り)-¥25,000
2024年11月収支経過 (11/01~27日)
通貨プラスマイナス前日比
ドル円+¥70,000-¥60,000
ユーロ円-¥135,000-¥60,000
ユーロドル-¥137,100(-$850)
豪ドル円+¥60,000-¥25,000
前日の売買 東京市場
出来ず Nothing done
前日の売買 海外市場
ドル円買い50,000☆153.00(SL152.50売り)
ユーロ円買い50,000☆160.50(SL160.00売り)
豪ドル円買い50,000☆99.00(SL98.50売り)
本日の売買&予定 東京市場
ドル円売り50,000154.00
ドル円買い50,000☆▼152.50(SL151.80売り)-¥35,000
ユーロ円売り50,000161.30
ユーロ円買い50,000☆▼159.80(SL159.30売り)-¥25,000
ユーロドル売り50,0001.0550(SL1.0600買い)
ユーロドル買い50,0001.0400(SL1.0350売り)
豪ドル円売り50,000100.00
豪ドル円買い50,000☆98.50(SL98.00売り)
本日の売買&予定 海外市場
ドル円売り50,000153.00(SL153.70買い)
ドル円買い50,000150.50(SL150.00売り)
ユーロ円売り50,000160.80(SL161.50買い)
ユーロ円買い50,000158.80(SL158.00売り)
ユーロドル売り50,0001.0580(SL1.0630買い)
ユーロドル買い50,0001.0430(SL1.0380売り)
豪ドル円売り50,00099.50
豪ドル円買い50,00097.50(SL96.80売り)
記号・略称解説

ロング=買い、ショート=売り
△=プラス、▼=マイナス
☆新規、★実行済み
SL=損失確定(Stop Loss)
TP=利益確定(Take Profit)

本レポートは朝夕2回配信。土日及び祝祭日は無配信のためSLのみ提示。
指値注文タイムリミット:東京市場 17:00、海外市場 5:00(日本時間)
SL/TPは最大100pips前後を目処に実施。最終のご判断は自己責任にてお願いいたします。

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プロフィール

  • 著者近影 鈴木郁雄(すずきいくお)
    フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネラル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず、デリバティブなどマネー部門を統括。 2001年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーと 親密に情報交換し、投資家心理を交えて独自の分析に定評がある。

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