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為替モーニング東京市場2024年11月25日

2024年11月25日
(コラム執筆時間:08時17分)

鈴木予想レンジ

※コラム執筆時点における、筆者の予想レンジです。

通貨ペア予想レンジ
ドル円153.30~155.30
ユーロ円160.30~162.30
ユーロドル1.0350~1.0550
豪ドル円99.80~101.80
相場状況の振り返りと今後の展開予想

市場はトランプトレード、ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク、そして中国経済低迷など様々な売買材料が介在しており、相対的に調整主導の展開に陥っている。プーチン大統領による核兵器の使用基準引き下げは、ラブロフ・ロシア外相が核ドクトリンは米国のものと変わらないとした上、核戦争を起こさないことがロシアの立場との火消しに回っている。概ね米欧など西側に対するけん制発言と思われるが、市場全般はリスク回避の動きに集中している中、地政学的リスクに関しては米国より欧州圏側に警戒意識が深まっており、ユーロドルを手仕舞う動きが優勢になっている。一方、日米の政策金利は利上げと利下げが有力視されているが、日銀もFRBも今後の経済データ次第との見解を発しており、一部ではトランプ次期大統領が就任する来年1月20日以降に持ち越される可能性もあるだけに、ドルロングを手仕舞う動きは後退しつつある。ただ円キャリートレードが再燃する気配がないだけに、もう一段のドル上昇局面では戻り売りに転じることが一考であろう。

一方、ドル円は米債券利回り動向に委ねられているが、FRBの12月利下げも不透明感が強く、拙速的な下値トライは慎重になっている。ただ加藤財務相による為替動向、行き過ぎた動きには適切な対応を取るとの文言を繰り返してはいるが、従来よりも非常に緊迫感を持って為替の動きを見守っていると強気発言をしており、当面、ドル円156~158円前後では実弾投入と見なした方がリスクの軽減に繋がるであろう。引き続きレンジ幅ドル円153.30~155.30円まで拡大し、同レベル前後からナンピン売買が賢明であろう。

他方、ユーロドルはECBの利下げ観測が高まる中、ウクライナ情勢の深刻化も加わり、戻り売りが優先されている。反面、ストップロスが一巡した可能性もあり、拙速的な下値トライは慎重になっている。引き続きレンジ幅ユーロドル1.0350~1.0550まで拡大し、同レベル前後からナンピン売買が賢明であろう。

●戦略的には、ドル円は前述したレンジ幅を重視し、153円台半ば前後から押し目買いと共に、155円台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、ユーロドルは1.03台半ば割れから押し目買いと共に、1.05台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。

●邦銀勢によれば、様子見スタンスを強める中、輸出企業は先週末と同様に、ドル円155円前後を視野に、同レベルからナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。一方、輸入企業の買いは153円前後に集約されており、同レベル前後から押し目買いで対応している模様。

●海外勢によれば、ECBの利下げ観測やウクライナ情勢を見極めたいとの思惑もあり、戻り売りが優先されている。現状では、ユーロドル1.03台半ば前後から押し目買いと共に、1.05台半ば前後からナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。

●クロス円は、ドル円153円台半ば前後ではロング、155円台半ば前後ではショートをイメージし、ユーロ円は160円前後から押し目買いと共に、162円前後からナンピン売りで対応することを勧める。一方、豪ドル円は100円割れから押し目買いと共に、101円台半ば以上からナンピン売りで待機することを勧める。

市場ストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円152.80155.80
ユーロ円158.80162.50
ユーロドル1.02801.0600
豪ドル円98.80102.00

※筆者の独自取材による、国内機関投資家などからのストップロス・オーダーが多く出ているラインです。
新規注文の際や、保有ポジションの見直しを計るうえでの参考のひとつにしてください。

トレード実績

筆者の個人的なトレードによる収支実績及び売買予定を公開しています。
※文中の記号・略語については巻末の解説をご参照ください。

市場のストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円152.80155.80
ユーロ円158.80162.50
ユーロドル1.02801.0600
豪ドル円98.80102.00
現在のポジション
No position
2024年11月収支経過 (11/01~25日)
通貨プラスマイナス前日比
ドル円+¥130,000
ユーロ円-¥75,000-¥25,000
ユーロドル-¥136,600(-$850)-$250
豪ドル円+¥85,000
前日の売買 東京市場
ユーロ円買い50,000★▼160.50(SL160.00売り)-¥25,000
ユーロドル買い50,000★▼1.0400(SL1.0350売り)-$250
前日の売買&予定 海外市場
出来ず Nothing done
ドル円売り50,000155.30(SL155.80買い)
ドル円買い50,000153.30(SL152.50売り)
ユーロ円売り50,000161.80(SL162.50買い)
ユーロ円買い50,000159.50(SL158.80売り)
ユーロドル売り50,0001.0530(SL1.0600買い)
ユーロドル買い50,0001.0330(SL1.0270売り)
豪ドル円売り50,000101.30(SL101.80買い)
豪ドル円買い50,00099.30(SL98.80売り)
本日の売買予定 東京市場
ドル円売り50,000155.30(SL155.80買い)
ドル円買い50,000153.30(SL152.80売り)
ユーロ円売り50,000162.30(SL162.80買い)
ユーロ円買い50,000160.30(SL159.50売り)
ユーロドル売り50,0001.0550(SL1.0600買い)
ユーロドル買い50,0001.0350(SL1.0300売り)
豪ドル円売り50,000101.50(SL102.00買い)
豪ドル円買い50,00099.50(SL98.80売り)
記号・略称解説

ロング=買い、ショート=売り
△=プラス、▼=マイナス
☆新規、★実行済み
SL=損失確定(Stop Loss)
TP=利益確定(Take Profit)

本レポートは朝夕2回配信。土日及び祝祭日は無配信のためSLのみ提示。
指値注文タイムリミット:東京市場 17:00、海外市場 5:00(日本時間)
SL/TPは最大100pips前後を目処に実施。最終のご判断は自己責任にてお願いいたします。

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プロフィール

  • 著者近影 鈴木郁雄(すずきいくお)
    フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネラル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず、デリバティブなどマネー部門を統括。 2001年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーと 親密に情報交換し、投資家心理を交えて独自の分析に定評がある。

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