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為替イブニング海外市場2024年11月20日

2024年11月20日
(コラム執筆時間:18時57分)

鈴木予想レンジ

※コラム執筆時点における、筆者の予想レンジです。

通貨ペア予想レンジ
ドル円154.50~156.50
ユーロ円163.00~165.00
ユーロドル1.0500~1.0650
豪ドル円100.30~102.00
相場状況の振り返りと今後の展開予想

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、ロシアのウクライナ侵略を巡る意見対立から共同声明の採択は今回も見送られたが、ロシアが参加している関係上、結果的に進展は見られず、物別れ状態にある。ただ議長国のインドが発表した議長総括では、反対した国がロシアと中国だったことを名指しで指摘する異例の措置を取るなど、露中の孤立化が際だっている。ロシア・ウクライナ紛争も1,000日を経過しているが、ロシア側が核兵器承認の姿勢を見せているなど、むしろ激化していると言わざるを得ない。それ故に市場は、安全資産であるドル買い戻しに傾斜せざるを得ない状況下にある。反面、過度なドル高に対してはトランプ次期政権が警鐘を鳴らしており、また政府日銀による実弾投入への警戒感も強いだけに、加速的なドルの上昇は見込みづらい。もう一段の上昇局面では、一旦清算入りと見なした方が賢明であろう。とは言え、トランプトレードや地政学的リスクを踏まえて、ある程度の乱高下が予想されるだけに、引き続き相場が大きく動意づいてからのナンピン売買に専念することが一考であろう。

一方、ドル円は地政学的リスクや日米金利差拡大を踏まえて、ドルを買い戻す勢いが勝っており、156円目前まで買われている。ただ既にドルロングが高水準で積み上がっており、高値掴みには要注意だろう。引き続きレンジ幅ドル円154.50~156.50円を重視し、同レベル前後からナンピン売買が賢明であろう。

他方、ユーロドルはドル円と同様、地政学的リスクを背景に米ドル主導の展開を余儀なくされており、戻り売りが優先されている。ただ節目の1.05前後では買い戻しの動きも散見されており、拙速的な下値トライは慎重になっている。引き続き直近のレンジ幅ユーロドル1.0500~1.0650を重視し、同レベル前後からナンピン売買が賢明であろう。

●戦略的には、ドル円は前述したレンジ幅を重視し、154円台半ば前後から押し目買いと共に、156円台半ば前からナンピン売りで待機することを勧める。一方、ユーロドルは1.05前後から押し目買いと共に、1.06台半ば前後からナンピン売りで待機することを勧める。

●邦銀勢によれば、様子見スタンスを強める中、輸出企業はドル円155円台半ば前後から売りを随時実施しており、現状では156円台を視野に、156円台半ば前後からナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。一方、輸入企業は買い急ぐことなく、154円台半ば前後から押し目買いで対応している模様。

●海外勢によれば、方向感に乏しい中、地政学的リスクを嫌気して、依然として戻り売りが優先されている。ただ現状ではユーロドル1.05前後から押し目買いと共に、1.06台半ば前後からナンピン売りで待機姿勢を強めている模様。

●クロス円は、ドル円154円台半ば前後ではロング、156円台半ば前後ではショートをイメージし、ユーロ円は163円前後から押し目買いと共に、165円前後からナンピン売りで待機することを勧める。一方、豪ドル円は100円台半ば割れから押し目買いと共に、102円前後からナンピン売りで待機することを勧める。

市場ストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円154.00157.00
ユーロ円162.50165.50
ユーロドル1.04501.0700
豪ドル円99.50102.50

※筆者の独自取材による、国内機関投資家などからのストップロス・オーダーが多く出ているラインです。
新規注文の際や、保有ポジションの見直しを計るうえでの参考のひとつにしてください。

トレード実績

筆者の個人的なトレードによる収支実績及び売買予定を公開しています。
※文中の記号・略語については巻末の解説をご参照ください。

市場のストップロス・オーダー状況
通貨売り買い
ドル円154.00157.00
ユーロ円162.50165.50
ユーロドル1.04501.0700
豪ドル円99.50102.50
現在のポジション
ドル円ショート50,000☆155.30(SL156.50買い)
前日のSP実行ポジション
ユーロドルロング50,000★△1.0500(SP1.0530売り)+$150
2024年11月収支経過 (11/01~20日)
通貨プラスマイナス前日比
ドル円+¥90,000+¥40,000
ユーロ円-¥25,000±¥0
ユーロドル-¥97,200(-$600)+$150
豪ドル円+¥85,000―¥25,000
前日の売買 東京市場
ユーロ円買い50,000★△163.00(163.50ショートカバー)+¥25,000
前日の売買 海外市場
ドル円売り50,000★△154.30(153.50ロングカバー)+¥40,000
ユーロ円売り50,000★▼163.30(SL163.80買い)-¥25,000
豪ドル円売り50,000★▼100.50(SL101.00買い)-¥25,000
本日の売買&予定 東京市場
ドル円売り50,000☆155.30(SL155.80買い)
ドル円買い50,000153.50(SL153.00売り)
ユーロ円売り50,000164.80(SL165.30買い)
ユーロ円買い50,000163.00(SL162.50売り)
ユーロドル売り50,0001.0650(SL1.0700買い)
ユーロドル買い50,0001.0500(SL1.0450売り)
豪ドル円売り50,000101.80(SL102.30買い)
豪ドル円買い50,000100.00(SL99.50売り)
本日の売買予定 海外市場
ドル円売り50,000156.50(SL157.00買い)
ドル円買い50,000154.50
ユーロ円売り50,000165.00(SL165.50買い)
ユーロ円買い50,000163.00(SL162.50売り)
ユーロドル売り50,0001.0650(SL1.0700買い)
ユーロドル買い50,0001.0500(SL1.0450売り)
豪ドル円売り50,000102.00(SL102.50買い)
豪ドル円買い50,000100.30(SL99.80売り)
記号・略称解説

ロング=買い、ショート=売り
△=プラス、▼=マイナス
☆新規、★実行済み
SL=損失確定(Stop Loss)
TP=利益確定(Take Profit)

本レポートは朝夕2回配信。土日及び祝祭日は無配信のためSLのみ提示。
指値注文タイムリミット:東京市場 17:00、海外市場 5:00(日本時間)
SL/TPは最大100pips前後を目処に実施。最終のご判断は自己責任にてお願いいたします。

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プロフィール

  • 著者近影 鈴木郁雄(すずきいくお)
    フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネラル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず、デリバティブなどマネー部門を統括。 2001年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーと 親密に情報交換し、投資家心理を交えて独自の分析に定評がある。

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