西本豪のFX初心者⇒中級者の教科書
FXでなぜ負けるのか?負ける理由を理解する!
そこで今回は「FX初心者の皆様がなぜ負けるのか?」その理由を案内させていただくと共に、『FXにおいてなぜ負けるのかを理解する大切さ』について紹介させていただきたいと思います。
ストップやトレード手法じゃない!?
FXトレーダーや投資のプロの皆様に、心理学者のダニエル・カーネマン氏の著書である『ファスト&スロー』のお話をすると嫌な顔をされます。
と言うのも、投資のプロとして活躍していらっしゃる方々の投資結果は、素人が目をつぶったままサイコロを振って出た目で投資するのと結果に大差がないということを証明しているためです。
つまり何が言いたいかというと、皆様の負けの要因は『ストップやトレード手法ではない』という点についてです。
基礎は既にある!
おそらくこちらにいらっしゃる皆様は、私の過去の投稿なども参考にしていただき、一般的な初心者トレーダーと比較しても、かなり投資スキルが高い方々が集まっていらっしゃるかと思います。
ただ、それなのになぜ負けてしまうのでしょう?
それは、皆様が考えていらっしゃるストップの位置やトレード手法には、負けの原因が無いためです。
しかしながら、負けの原因は何処にあるのでしょう?そこで続いては、ガラリと視点を入れ替えてみて、負けとは反対の勝ったトレードから勝敗の理由について考えてみたいと思います。
勝ったトレードの真実とは?
そこで、プリンストン大学名誉教授であるダニエル・カーネマン氏の研究から、勝ちトレードの理由について考えてみたいと思います。
カーネマンによると、たとえプロの投資家として活躍している投資家であっても『勝ち負けの多くは運のみに左右されている』と語っています。
その理由として、大手投資会社のトレード結果を分析したところ、一見してコンスタントに良い成績が出ている様に見えているものでも、その多くは、相場展開や時勢の変化で負けトレードが増えることを突き止めたためです。
つまり、プロの投資家と素人の投資家とで、トレード成績に顕著な差がなかったということです。
なぜプロと素人で差が出ない?
しかしながら、優秀な投資家は幅広い知識を持ち、圧倒的なトレード技術も持っているプロの投資家と素人投資家と比較して大きな差が出ないのでしょう?
その要因を、カーネマンは「『プロの投資家は自分の分析した結果が相場に織り込まれているかどうか?』を研究していなかったため」と回答しています。
さらに、素人トレーダーが勝てる理由として「売買を繰り返さずポジションを持ち続けていたから・・」ということにも言及しています。
勝ったトレードに負けの理由あり!
つまり、初心者トレーダーから中級者トレーダーになるためには、自身の負けトレードだけでなく、勝ちトレードについても自分の相場予想と市場の織り込み具合を研究し、さらに「利益確定をしたポイントが本当に正しかったのか?」を振り返らなければいけないと言う訳です。
勝ったトレードを振り返ることは、折角の勝利の余韻を一瞬で消し去ってしまうようなことさえある、『トレーダーにとって非常に苦しい拷問のような時間』でもあります。
負けたトレードであれば反省の意味も込めて見直す人も多いと思いますが、勝ったトレードで投資を振り返ることは「儲け損なった部分があるのでは?」と、自分のトレードを真っ向から否定した上で、トレードの向上を考える必要があります。
そのため、おそらく、こちらにいらっしゃるほとんどのトレーダーはやっていないのではないでしょうか?
負けないために利を伸ばす!
そこで最後に「どのようにして勝ちトレードを振り返れば良いのか?」というお話をさせていただきたいと思います。
守りか攻めか?
まず、勝ちトレードといっても2種類があり、それは『守った上で勝ったトレード』か『攻めに行って勝ったトレード』です。
そこでまずは、守った上でのトレードについて説明すると、それは「トレード中に利益が出ていたが、相場状況が変わり損失が拡大する事が予想されため、微益で已むを得ず撤退した」という経緯があるトレードになります。
一方で、攻めに行ったトレードというのは、「キッチリ最後の狙ったところ(指値)まで、利益を得ることができたトレード」のことを指します。
そうです。既に多くの方が気づいていらっしゃると思いますが、『守った上で勝ったトレード』こそ、トレードを振り返る対象とする必要があります。
頭と尻尾はくれてやれ!
トレーダーの多くは、「頭と尻尾はくれてやれ!」という相場の格言について聞いたことがあると思いますが、この格言を鵜呑みして早期の利食い(利益確定)をしてしまったことはありませんでしょうか?
また、微益で勝ちトレードとして確定しているトレードに関しても、「相場が変わった!」という思い込みだけで決済してしまい、「本当は利益が減っていくことに精神が耐えられなかった」ということはありませんでしょうか?
勝ったトレードを振り返ってみて、もしそうしたトレードが見つかるようならば、徹底的に自分自身のトレードを見直していただければと思います。
そして、最高の勝ちトレードで再計算してみて、それでも負けていればトレード・スタイルそのものを変更し、もし守りのトレードにより負けていることが分かったならば、攻めのトレードへと変更して頂ければと思います。
まとめ
さて今回は「FX初心者の皆様がFXでなぜ負けるのか?」と言う話をさせていただきました。
プロ投資家は、自身の予想した相場展開と現在の相場の織り込み具合についての分析も確実に行っています。
もし、その分析方法について気になりましたら、是非、以前お話しさせていただいた以下の記事を参考にして頂けましたら幸いです。
●参考
FX初心者がマーケットのギャップから相場を分析する方法
もしかしたらFX初心者の皆様にとって役に立つことがあるかもしれません。
そして今回も長いお話に最後までお付き合いいただきまして本当にありがとうございます。
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