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上がっても損、の不思議
為替は円安にふれても円高にふれても結果を出せるのが良いところ、とは言うものの、裏を返すとどっちに転んでも損失を出してしまう可能性があります。上がると予想して下がってしまったというのは感覚的に分かりやすい面もありますが、下がると予想して売りで入ったら暴騰して大きな損を出してしまった、ということも実際には起こります。
例えば、要人発言をきっかけに急に安心感が広がる、ずっと悪かった経済指標が急に予想外に良くなった、など理由はいろいろありますから油断できません。どっちか一方に動くと決め付けない、ということも為替へのスタンスには重要です。
レバレッジは損失にも効いてくる
レバレッジがあるから少ない証拠金で大きな取引が可能、というメリットも、裏を返すと危険が潜んでいます。予想とは反対にレートが変動するときにも、レバレッジは同様に効いてくるからです。思った方向に推移していればレバレッジは有り難いものですが、逆の場合にはレバレッジは要注意です。
思わぬ理由で乱高下、思い込みは禁物
為替市場はダイナミックです。「上がってなんぼ、下がってなんぼ」の世界ですから、いろいろな国のさまざまな要因が為替レートの上下の理由になります。通常は、経済指標や株価、金利などある程度想定できる要因で変動することも多いのですが、思わぬ要因が急に出てくることがあります。
例えば、欧米の格付け会社が国や企業の格付けを急に変更する、要人から思わぬネガティブな発言が飛び出す、というようなことがよくあります。この3年くらいの間に発生した「サブプライムローン問題」「リーマンショック」「ギリシャ危機」といった大きな事件も、思わぬところから出てきた話があれよあれよという間に大きくなってしまった例です。
こういったことで為替は大きく上下します。時には1日に数円単位で上下することもあります。したがって、思い込みや決め付けは禁物。常にどう動いても対応できるようなポジションと指値がFXでコンスタントに結果を出すには必要なのです。
損切り/利食いの設定こそが命綱
為替は、自分が考えた方向に動くとは限りません。また、ニュースや経済指標などを材料にして損切りや利食いの指値を設定しがちですが、こういうときは同じようなことを考えている人が多いものなのです。損切りのレートが揃ってしまうと、そこを狙った値動きというものが発生することがあり油断できません。誰の意志があるわけでもないのですが、市場としてその損切りレートまで動いてから戻ってくるのです。
こういった事態は、損切り/利食いのライン設定をする際に「相場の一番安いところを買って一番高いところで売る(あるいはその逆)」といったような、ギリギリのポイントを狙っていくことをせず、予想と逆に動いてしまったら早めの損切り、予想通りでもあまり頑張らずに早めに利益を確定させるよう心がければ、ある程度避けることができます。必要なら決済したあとで、もう1回同じ方向のポジションを建てるわけです。
オープンポジションに気をつけろ
FXのリスクはいろいろありますが、乱暴に要約してしまうと「オープンポジションの数」ということになります。オープンポジションというのは、売り買いどちらか片方への偏り具合です。
売り1万通貨、買いも1万通貨(両建てといいます)の場合は、オープンポジションはゼロです。売り3万通貨、買い1万通貨だと、売りのオープンが2万通貨です。この2万通貨がリスクなのです。為替レートの上下に応じてオープンポジションの分だけ損益が出ますから、利益を追求しようとすれば、これから動くであろう方向のオープンポジションを増やしてリスクを取ることになります。
もうお気づきと思いますが、FXではレバレッジが効いていますので証拠金に対してオープンポジションが相対的に大きくなると、耐えられるレートの変動幅が狭くなっていきます。1万通貨なら1円の変動で1万円の損益ですが、10万通貨なら10万円の損益です。損切り/利食いの設定をしておかないと暴騰・暴落のときにすぐに強制ロスカットに達してしまいます。
成績は9勝1敗でもその1敗で利益が吹っ飛ぶことも
損切りを躊躇して少しの我慢を重ねているうちに、いつのまにかポジションが膨らんでいる、あるいは1万通貨なのに数万円もマイナスになっている、ということは珍しくはないことですが、本来こういう事態は避けなければならないのです。せっかく早めの利益確定でコツコツ積み上げたものを1回のミスで帳消しにしてしまう可能性があるのです。
為替市場はダイナミックです。2週間かけて1日平均30銭程度でだんだん上がってきたのに一気に3円下落、といったことはよくあります。その場合に、損切りできずにたまってるポジションがあればあるほど、痛手が大きくなります。リーマンショックなどでは、何年もかけて積み上げてきたレートがわずか数日で数年前の水準まで一気に落ちてしまいました。「勝ちはコツコツ、負けは一瞬」なのがFXの侮れない側面なのです。