スピードはそれほどでもないが、ほぼ一方通行的な上昇を続けている。ウクライナ情勢悪化への思惑は根強いものがあり、リスク回避を背景にしたゴールド買いは継続していることが主な要因だ。高止まりこそしているものの、上昇一服が目立ちつつある米10年債利回りも、金利面からサポートしている印象は否めないところだ。
そうなるとやはり懸念されるのは、過熱感の台頭だ。短期サイクル的にはそれほど台頭しているわけではないが、それでも60分足MACDは0ラインと乖離した水準で推移しており、いつ低下に転じてもおかしくないところだ。もちろん60分足・一目均衡表の雲上限に沿った動きであるのみならず、その雲が下値を支えている印象もあるだけに、そう簡単に崩れるとは思わない。それでも本日は週末であることを踏まえれば、ポジション調整的な動きにはやはり警戒しておく必要があろう。
以上を踏まえて当面のポイントは、
(1)14日以降の上昇に対する半値押し2614.4ドルを下値支持線、10月31日以降の下落に対する61.8%戻し2693.2ドルを上値抵抗線とする。
(2)前記支持線を下回るまで、上方向を志向する。ただし下回ると、大台とほぼ重なる同61.8%押し2596.0ドルを経て、その14日安値2536.8ドルに押し戻されかねない点には注意が必要だ。さらに下回ると、9月4日安値2470.9ドルに向けて動き出さないとも限らないが、そのためには日足・一目均衡表の雲を割り込む必要があるなど障害は多い。少なくともポジション調整を超す反落→下値模索へ転じるには、かなりのネガティブが必要と見ておきたいところだ。
(3)前記抵抗線を上回ると、2700ドルの大台は目と鼻の先だ。このため上回るようなことがあると、史上最高値となる10月31日高値2789.9ドルに向けて動き出さないとも限らない点には注意が必要といえる。ただし本稿執筆時にはこの抵抗線に接近しつつあるものの、まだわずかに超え切れておらず、現時点ではまだ微妙と見ざるを得ないところだ。超え切るとストップロスを絡めたさらなる上伸も期待されるが、週末でもあるということは頭の片隅に残しておくべきだろう。
(15:55)
シルバー日足・60分足分析《一目均衡表・MACD》
こちらは小幅続落ながら、ほぼ横ばいと見ておくべきだろう。ウクライナ情勢に絡んだリスク回避姿勢が重石となっているが、幾分緩んだドル買いの影響もあって崩れているわけではない。ただし上値の重さは如何ともしがたいだけに、底打ちを確認するにはまだ少し時間がかかると見るべきだろう。
短期サイクル的に見ると、どっちつかずの印象が否めない。60分足MACDは0ラインを下回る水準にて舳先を上方向に向け始めており、すでにいい水準まで押した印象は強い。一方で60分足・一目均衡表ではわずかながらも雲下に押し出されており、より上値の重さが否めないところだ。もちろん下放れたわけではなく、その雲下限に沿った推移からは底堅さも感じられるが、この相反する要因のどちらがより意識されることになるか?個人的には前者優勢と見るが・・・。
以上を踏まえて当面のポイントは
(1)14日以降の上昇に対する半値押し30.597ドルを下値支持線、19日高値31.526ドルを上値抵抗線としつつ、放れた方向にはついていきたい。
(2)前記支持線を下回るまで、上方向を志向する。ただし下回ると、同61.8%押し30.377ドル/30ドルの大台を経て、その14日安値29.668ドルに押し戻されかねない点には注意が必要だ。さらに下回ると、9月6日安値27.678ドルに向けて下げが加速しかねないが、そのためには日足・一目均衡表の雲を割り込む必要があるなど障害は多い。上値の重さが目立っているが、崩れる展開は想定するには相応以上のネガティブが新たに台頭する必要があると考えたいところだ。
(3)前記抵抗線を上回ると、32ドルの大台を経て、10月22日以降の下落に対する半値戻し32.261ドルに向けて動き出さないとも限らない点には注意が必要だ。さらに上回ると、同61.8%戻しとほぼ重なる5日高値32.910ドルが次なる上値メドということになるが、直近の上昇はあくまで下げ過ぎに伴う巻き戻しであり、現在は上値の重さがより目立っている。戻し出せば一気に上値を伸ばしてもおかしくないところではあるが、そのためには何某かの後押しが欲しいところだ。少なくとも台頭しているリスク回避姿勢は、緩む必要があると見るべきだろう。
(16:10)
【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
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